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2017/04/15

限られた資金で経営するために

インターネットを経由して個人から中古品を買い取り、インターネットを経由して個人に販売するというビジネスモデルで起業した杉並区のA社の1期目が終わりました。日本政策金融公庫からの創業融資の調達をお手伝いしたのがお付き合いの始まりです。

 

A社は、創業当初、利益率は低くても大量に販売すれば採算は合うという目論見で、他社よりも高い買取価格を設定していました。
粗利益率が20%の設定です。
しかし、粗利益率20%で向こう1年間の資金繰りシミュレーションを行ったところ、キャッシュフローを黒字化するためには、「資金が少ない」「事務所スペースが狭い」「人員も少ない」、という現在のリソースでは実現が難しい売上高が必須であることが分かりました。

 

よって、A社の社長様は料金の改定を含めた粗利益率の改善に取り組み、期末時点では粗利益率を30%程度にまで向上させることに成功しました。
さらに5%程度は改善できる見込みです。
A社の1年目は当然ながら赤字でしたが、自己資金と日本政策金融公庫の資金でつなぎながら、粗利益率30%~35%のビジネスモデルを確立することができました。

 

2期目に入った先日、今期の年間資金繰り計画をA社の社長様と立てました。
一定のビジネスモデルは確立できたものの、現状のままでは、すぐに資金がショートする見込みです。
まずは信用保証協会の保証付融資の調達に動き、500万円の資金を調達することができました。
創業赤字の状態で資金調達ができるのはこれが最後ですので、この資金を使って何としてもキャッシュフローを黒字にしなくてはなりません。
そのためのシミュレーションを行いました。

 

考え方としては2通りです。事務所の拡張、広告費、人材に資金を投入して一気にキャッシュフローの黒字化を目指す。
もしくは、借り入れた500万円を出来るだけ使わないようにして、長く継続しながらチャンスをうかがう。
前者の場合は計画どおりに売上が立たなければ、あっという間に資金不足に陥ります。
後者の場合は、長く生きたところで今よりもじり貧になる可能性があります。

 

やはり前に攻めようということになり、その前提でシミュレーションを行ったところ、「現在300万円の月商を半年以内に600万円にしなくては資金がショートする。」という結果になりました。
半年以内に売上を倍増させるためには、広告費を大きく増やさないといけませんし、事務所も広いところに移転しなくてはなりません。
ただ、それを実行したところで、売上が必ず増えるという保証はありませんので、決断するのは大変難しいところです。

 

しかし、議論を重ねていくうちに、意外なところにボトルネックがあることが分かりました。
A社は既に月商400万円程度の商品を持っているにも関わらず、人員不足でネットへの掲載が300万円程度しかできていないということです。
売上が読めない広告費を投入するより、アルバイトを増員して掲載数を増やす方がよほど確実です。
早速アルバイト代15万円の増加、売上高100万円の増加でシミュレーションを組み直してみると、資金繰りに余裕ができ、十分に実現可能な計画となりました。

 

中小企業は限られた資金で経営をしなくてはなりませんので、向こう1年程度の資金繰り計画を持つことをおすすめします。
ポイントは、難しいものではなくシンプルな計画にすることです。弊所では資金繰り計画の立案をお手伝いしております。

 

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